愛知県日進市にて内科、循環器科、小児科を診療する「いせき内科クリニック」より循環器科に関わる病気の説明をいたします。
循環器科は、高血圧症・心臓病・大動脈疾患・等を診る診療科で、代表的な疾患には次の様なものがあります。
頭重感、頭痛、肩こり、めまい、はきけ、耳鳴りなどが、高血圧の症状と思われている方が多いのですが、それらの症状の頻度は、高血圧でない方々と差はないとされています。つまりほとんどは無症状です。高血圧を放置すると無症状のまま、いきなり脳卒中、心臓病、腎臓病などの合併症の症状がでるため、高血圧をサイレント・キラー(沈黙の殺人者)と呼ぶ人もいます。
また高血圧の方の約半数は、明け方から起床時にかけて、睡眠時に比較して極端に血圧が上昇する、早朝高血圧(モーニング・サージ)があるといわれています。
寝ている間は体が休まるように、車でいうブレーキにあたる副交感神経が優位になっていますが、早朝はこれから活動を始めるということで、車でいうアクセルにあたる交感神経が優位になり、動脈が緊張して血圧が急上昇し、血管へのストレスが一気に増大します。脳梗塞、心筋梗塞とも、早朝時や午前中の発病が多く、早朝高血圧を正常な水準にとどめることは、それらの発病を防ぐ上で重要なポイントになると考えられます。家庭血圧計により早朝の血圧を測定し、他の時間帯と比較することで傾向があるかどうか判断できます。
検診などで指摘された場合でもお気軽にご相談ください。治療が必要かも判断させていただきます。
脈の乱れ、動悸、めまいや失神の原因となるものですが、放置して良いものから、突然死に至る重篤なものまで様々な種類があります。
最近、その治療法に新しい知見がみられたものに、発作性心房細動、慢性心房細動があります。
発作性心房細動の場合は、普段は規則正しい脈ですが、発作が起こると脈が突然速くなり、乱れもあるので、動悸を強く感じることが多いですが、なかにはほとんど無症候の方も見えます。
慢性心房細動の場合は、頻脈でない場合は自覚症状のないことが多く、体がむくんだり、心不全になって受診される方も見えます。
この不整脈では、心房の収縮がなくなり、左心房の中で血液が鬱滞するために、血栓(血の固まり)が形成されやすく、これが遊離して全身(特に脳)に飛んでいくと、脳梗塞等の重大な疾患を引き起こします。脳梗塞の原因の約1/3は、心房細動が原因と言われています。
以前は、症状を抑える治療法しかありませんでしたが、いまでは、脳梗塞予防と脈の乱れを治す治療をしっかりおこなったうえで、病状によっては、カテーテル治療で治癒する期待が持てるようになってきました。そのためにはしっかりとした診断と内服治療が必要です。
心臓の筋肉への、血液の供給が減ることや途絶えることを虚血といいます。狭心症と心筋梗塞の2つをまとめて虚血性心疾患と呼んでいます。
狭心症と心筋梗塞の違いですが、狭心症は、酸素不足の状態が一時的で回復するのに対して、心筋梗塞は、血栓などで冠動脈が完全に閉塞しその先の血流が途絶え、心筋が壊死を起こすもので、心臓に大きな障害が残ります。
いずれの病気も重症化すると、心臓のポンプ機能が低下する心不全や、虚血による重症の不整脈を合併して生命への危険が高まります。
狭心症の発症には、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による器質的狭窄と、攣縮(痙攣)が様々の程度で関与していますが、主として器質的狭窄によるものが労作性狭心症といい、階段を昇ったり、会議中のストレスなど日常の動作中またはその直後に起こるタイプです。攣縮によるものが安静あるいは異型狭心症といい、睡眠中や安静時に起こるタイプです。日本人の狭心症では攣縮の関与が欧米に比べ多いとされています。
狭心症発作時の症状は、胸の締め付け感、圧迫感、歯の痛み、腕のだるさなど、患者さんによって異なり非常に多彩です。それだけに心臓の病気と思わない患者さんも多く、自己判断は禁物です。特に糖尿病の患者さんでは、神経障害により痛みのない虚血発作(無痛性心筋虚血)や、心筋梗塞になっても全く痛みがなく、軽い息切れ程度の症状の場合(無痛性心筋梗塞)がありますので注意が必要です。
重症になる前に診断、治療を受けられることをお勧めします。
心臓には4つの弁がありますが、この機能異常が弁膜症です。弁の開きが悪くなり、血液の流れが制限される狭窄症と、弁のしまりが悪くなり、血液の逆流が生じる閉鎖不全症があり、いずれも心不全の原因となります。
以前は、リウマチ熱が原因の弁膜症が多く見られましたが、小児科でのリウマチ熱管理が徹底したために、最近では減少し、非リウマチ性の弁膜症が多く見られるようになりました。
原因不明の特発性心筋症と、高血圧性、虚血性など、特定の原因による特定心筋症があります。
特発性心筋症として代表的なものには、肥大型心筋症と拡張型心筋症があります。
肥大型心筋症は、心室の壁が極端に厚くなり、心臓の拡張性が悪くなったり、心臓から大動脈に血液が出にくくなったりします。
拡張型心筋症は、心臓の収縮が悪くなり、左心室が著明に拡大します。
いずれも、心臓の筋肉(心筋)そのものの障害のため、心臓のポンプ機能が低下し、心不全となったり、不整脈を合併して、放置をすると突然死につながることもあります。
心不全とは、病名ではなく、心臓の働きが不十分な結果起きた体の状態をいい、症状として、呼吸困難、息切れ、体のむくみなどがあげられます。
様々な原因(原疾患:元となる病気)で起こります。
心臓の働きの低下が急に起こる急性心不全と、徐々に起こる慢性心不全があり、軽症から重症まで程度はさまざまです。心筋梗塞や心臓弁膜症など、あらゆる心臓病はもちろん、例えば高血圧症で、長年心臓に負荷がかかっている場合でも、徐々に働きが低下し、心不全の原因となりえます。
心不全の治療と共に、原疾患の治療を行うことが大切です。
歩いていると足が疲れ次第に痛くなる。しばらく休むとよくなるが、歩き始めるとまた同じ様な症状がでる。これは(間歇性跛行(はこう))といわれ、足の動脈が狭くなったり、閉塞したりすることから起ります。重症になると足に壊疽ができたりします。
少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。